<不幸の根源> 本澤二郎の「日本の風景」(1613) H.26/04/28

一円融合 心田開発 より【転載】 2014-04-29
10・21・一
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12・7文8
<不幸の根源>   戦争は悪魔

本澤二郎の「日本の風景」(1613)2014年04月28日

<友の急死>
 2014年4月28日午後6時8分に携帯電話が鳴ると、悲報が妹から届いた。聞きたくもない恐ろしい報告に、妹も泣きじゃくった。友の急死である。まさかのことに、まるで夢を見ているような錯覚にとらわれた。体にへばりついている筋肉の全てから力が抜けてゆく。非情は予告なしに突然に舞いこむ。しかも、友が小さな幸せを見つけて、春に向かって弾んでいた矢先のことである。この世に長続きする幸せはないものか。

<戦争遺児に小さな幸せもNO>
 友は戦争遺児である。助産婦の母親の手一つで育った。助産婦の仕事は24時間である。深夜であろうが、未明であろうが家を飛び出す。乳飲み子を抱いて、真っ暗闇に子供一人置き去りにして出かける。これがどういうことか。第3者にはわからない。
 昨今、産婦人科医の成り手が少ないと聞くが、甘えもいいところである。彼女は戦争未亡人である。幼い娘のために再婚を断念した。母と子一人の生活を、ほとんどの市民は知らない。男たちにツケ狙われる。それだけでも大変である。男がいない家庭を馬鹿にする市民が少なくない。
 筆者は彼女の手でこの世に生まれた。兄・弟・妹も、である。其の昔、馬来田村と呼んだが、そこの子供たちはほとんど友の母親の手によって人生を歩んでいる。
 娘の友は東京農大で栄養学を学んだ。生活苦のため、水商売にもはいった。しかし、くじけずに栄養士の資格をとり、社会に飛び出し、結婚すると、夫に従って秋田へと向かった。しばらくすると、自分を育ててくれた、年老いた母親・戦争未亡人の母親の行く末に気が向いてゆく。戦争遺児の娘として当然のことであるが、そうした裏事情を夫は分かろうとしなかったようだ。
 老いた助産婦は、北国生活に慣れることは出来ずに、故郷の馬来田に帰った。女手一つで育ててくれた、そんな母を一人さびしく放置する勇気など無かった友である。子供たちが成長すると、友も母に従った。そして別居・離婚へと自然の流れに身を任せるしかなかった。

<子供に理解されず倒れる>
 こうした友の心を子供たちは、十分に理解など出来なかったらしい。友の方はタケノコを子供たちに送るなど、子供思いは相変わらずだったのだが。一人で育った友は、3人の子宝に恵まれていた。
 ここにきて友は馬来田で小さな幸せをつかみかけた。あと少しで手が届く距離である。小さな、本当に小さな幸せを、しかし、子供たちは喜んで受け入れてくれなかったらしい。子供は親の関係がどういうものか、一般にうといものだ。
 友は、電話で長女に説得している最中に倒れてしまった。ああ、なんということか。長女が実家に駆け付けて見ると、受話器のそばでずっと友は倒れたままでいた。この間、どれくらい経ったのであろうか。時遅し、ドクターヘリを出動してもらったが、時間がかかり過ぎた。彼女は幸せを胸に手繰り寄せながら、あと一歩のところで、息絶えてしまった。
 この世は非情なり、残酷なり、もう2度と友が馬来田に現れることはない。

<戦争は悪魔>
 戦争は悪魔である。人間を不幸に陥れる最悪のものである。
 友の父親は軍属として中国大陸を転戦した。その間、何があったのか。その後、2度目の出征時に、友を身ごもった妻を残して南太平洋で没した。届いた箱の中身は何もなかった。赤紙1枚で戦場に追いやられ、遺骨も無い帰還兵を、靖国の英霊とし祀られた。これに友は反発していたという。
 安倍内閣が推進した特定秘密保護法や、これから強行するかもしれない集団的自衛権という名の「戦争する日本」改造に反対していたという。友はすこぶる健全な精神の持ち主だった。
 確かに、戦争反対の精神は強固だったようだ。2度と母親のような戦争未亡人を作ってはならない。2度と自分のような戦争遺児を作るな、との思いからであろう。

<不幸の根源>
 人間の不幸の根源は戦争である。平和を望む人間は、国家主義に反対である。平和を欲する人間は日本国憲法を愛している。絶対に手放さない。
 こうした思いを共有するがゆえに、友の急死に衝撃を受ける筆者である。思えば友は、95年に筆者が企画した南京・盧溝橋の平和の旅に娘と共に参加してくれた。日中友好派でもあった。こうした経緯からも、何としても小さな幸せを届けたかった。
 無念至極だ。冥福を祈るしかないのか。ああこの世は無情なり。
2014年4月28日21時20分記

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2016年1月1日 新年を迎え、日本に生まれた幸せをかみしめ、日本人で有る事の誇りを持ち、 生きる喜びを持ち続けたいと願いました。
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2011・2012この凄まじい年を生きている。幻想の世界が終り2013より今現在考えの及ばない 世界に入ると云われている。*私達の力がどれ程強いか、自己主権を持った者であり自由であるそれが現実です。意識が自由になって初めてそれが外に現れると。本当の自分を思い出す時が来た(ジョージ・カヴァシラス)